変形性股関節症について
股関節にある軟骨がすり減ることで、股関節の骨が変形し、痛みや歩きにくさなどの症状が現れる病気です。主な要因としては、生まれつきの骨盤の形状異常や外傷による変形、加齢による関節組織(軟骨)の変形、肥満などによる股関節への過剰な荷重などがあげられます。
症状
初期 | 軽度の痛み「何となく違和感、少し痛む」 ▪長時間の歩行や運動後などに痛みを感じる。 ▪おしりや太もも、膝にこわばりや痛みがある。 |
進行期 | 慢性的な痛み「痛みが続く、関節が動きにくくなる」 ▪股関節が動く範囲が狭くなる。 ▪日常的に痛みがあり、歩行に障害が生じる。 |
末期 | 極度の痛み「関節がかたくなる、歩きづらくなる」 ▪動かさなくても痛い。 ▪股関節の動きが悪くなる、硬くなる。 ▪左右の脚の長さが異なる。 |
治療の必要性
初期段階では、股関節付近の軟骨がしだいに変形することで脚の付け根に痛みが出てきます。しかし、症状が慢性化するとしだいに関節部分も変形し股関節異常となるため、初期段階での早めの治療が重要です。
治療は、症状悪化を防ぐ、日常生活の負担を軽くする目的で行います。
治療方法
治療方法は、保存療法と手術療法に分かれます。
保存療法はリハビリを行いながら股関節周囲の筋力を鍛えたり、関節の柔軟性を獲得する方法や関節注射で傷んだ軟骨を保護する方法です。
保存療法で改善が見込めない重度の変形に対しては、手術療法が選択されます。
入院中のリハビリテーション
手術前日に動作の確認・説明を行い、手術翌日からリハビリが開始されます。
身体の状態や股関節の痛みを見ながら、退院後の日常生活動作が行いやすいように、動作練習を中心に実施していきます。
歩行訓練
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練習は平行棒内から開始し、運動機能に合わせて歩行器、T字杖へと移行していきます。
術後 1~2日目 | 平行棒内歩行練習開始 |
術後 3日目 | 歩行器歩行 獲得 |
術後 7~10日目 | T字杖歩行 獲得 |
※こちらは、おおよその目安です。個人の状態によって異なります。
その他
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階段昇降訓練、屋外歩行訓練などの退院後の環境に応じた動作訓練を行っていきます。
- 自主トレーニング・アイシングの指導も行っていきます。
日本人工関節学会認定医
当院には、人工関節分野における手術経験および研究業績が豊富な医師として、日本人工関節学会より認定を受けた医師が在籍しています。
また手術を受けた患者様に対して一貫したリハビリを行うために、当院ではTHRチームを発足しています。
当チームには、医師、理学療法士が在籍しており、定期的なチームミーティングで情報の共有を行っています。
▼当院の速水医師が日本人工関節学会認定医を取得しています。