👣足の外科外来を担当している当院の丸山医師が、皆さんの足のお悩みにお答えします!
歩くとかかとが痛い!足底腱膜炎
起床後の初めの一歩、階段を上るとき、長時間の歩行時、「何だか足のかかとが痛い…」とお悩みの方も多いと思います。
そういった症状がある方は、「足底腱膜炎」という疾患の可能性があります。
足底腱膜炎って何?
私たちの足の裏には「足底腱膜」という、ウチワのような形をした腱性の膜が存在しており、足部のアーチ(土踏まず)形成に重要な役割を果たしています。
この腱膜はかかとの骨と付着しているのですが、加齢や体重の増加、長時間の歩行などによりこの付着部へ過度なストレスがかかり、
炎症が起きて、痛みを生じてしまいます。それが「足底腱膜炎」です。
病態が慢性化すると腱の劣化が進み、手術に至るケースもあります。
▪炎症が起き、痛みを生じている場合は、足底腱膜が変性していたり、足底腱膜とかかとの骨の付着部に小さな傷が見られます。
病態が慢性化している場合は、骨棘という骨のトゲが見られることもあります。
▶足底腱膜炎患者のレントゲン写真(かかとの骨に骨棘ができている)
症状は?
この疾患は中年女性に多く見られ、起床後や動き初めの一歩目の疼痛などが特徴的な症状です。
足底(主にかかと)に「ズキッとする痛み」を感じたり、土踏まずに痛みを感じるケースもあります。
この痛みはしばらく歩行を続けるうちに改善しますが、歩行距離が長くなるにつれて再び痛みが強くなります。
原因は?
足底腱膜炎の原因には、内因性と外因性があります。
内因性
・加齢
・肥満
・偏平足、凹(甲高)足
・アキレス腱の柔軟性低下
足底腱膜に劣化や変性が生じて、炎症を起こしてしまいます!
外因性
・不適切な靴の使用
・過度な運動(スポーツ)、長時間の立位
・硬い路面でのランニング
これらは足底腱膜とかかとの骨の付着部に圧迫力や牽引力などの負荷がかかります!
どんな治療法と予防があるの?
治療法
「ほとんどの場合は運動療法やインソールなどの装具を利用することで改善します」
まずは体重のコントロールや運動量を減らすことで、足底にかかる負担を減らしていきます。
その上で、当院では理学療法士による運動療法や治療用のインソール(靴の中敷き)を併用し、痛みを改善していきます。
当院ではリハビリテーションを重視しており、様々な視点から患者様に最も適したリハビリ計画を立て、無理なく効率的にリハビリを進めていけるようサポートしています。
(↑)治療用インソールの写真
「重症の場合は、薬物療法や手術療法を行います。」
約1割くらいの患者様には、症状が難治化し、治りにくくなっているケースもあります。
そのような場合は、ステロイドの局所注射や足底腱膜の付着部を切り離す手術、かかとの骨棘を切除する手術などが行われます。
予防
足底への負担を減らしましょう!
・適度な運動による体重コントロール
・ふくらはぎのストレッチ
病態が難治化している方へおすすめの、もう一つの治療法。
「体外衝撃波」療法
治療を半年行っても改善しない、病態が難治化している患者様に対して、当院では「体外衝撃波療法」もおすすめしております。
この治療法は、高出力の衝撃波(音波)を患部に照射して行うものです。現在では難治性足底腱膜炎の治療として、欧米だけでなく日本でも第一選択の治療法として幅広く使用されています。
また体への負担も少なく、安全かつ効果が期待できる治療法なのも特徴のひとつです。
症状に心当たりのある方は早めの受診を!
もし症状に心当たりのある方は、重症化する前にお近くの整形外科へ早めの受診をおすすめします。
また、足の疾患に関して当院では重症度に応じた治療をご提案しております。
初診~手術、リハビリまで一貫して治療を受けることが出来るので、「足」に関して何かお困りのことがございましたらお気軽にご相談下さい!