こんにちは!
今日は、栄養の観点から骨粗しょう症マネージャーでもある栄養士から情報をお届けします♪
【骨はカルシウムでできている?】
一般に骨の成分と言えばカルシウムというイメージが強いのですが、骨の主成分は、コラーゲンというたんぱく質の一種です。
骨はこのコラーゲンを柱にして、カルシウムやリンなどのミネラルが付着して作られています。
そのなかで、骨を強くする働きをもっているのがカルシウムなんです。
カルシウムの摂取量が不足すると、骨のカルシウムが減り、骨粗鬆症の原因となるばかりでなく、高血圧、動脈硬化、老人性痴呆などさまざまな生活習慣病や筋力低下などロコモティブシンドロームの原因となります。(妊娠・授乳中の骨折やスポーツをしている方の疲労骨折にもつながります!)
※ロコモティブシンドローム(運動器症候群)のことです。
内臓面から健康を考えるメタボ(メタボリックシンドローム)という言葉はみなさんご存知ですね。
ロコモはその運動器(骨や関節、脊髄、筋肉、神経など)バージョン…そう考えればわかりやすいかも知れません。
【カルシウムの摂取目安量】
女性は1日650㎎、男性は1日650~800㎎のカルシウムが必要といわれています。
※骨粗しょう症予防には800㎎
ちなみに、当院で骨粗しょう症の治療を開始した方に、初回の栄養士によるアンケート結果を基に、推定摂取カルシウム量を比較すると以下の結果に…!
治療を開始後でも、日本人の食事摂取基準の目標量を超しているのは約36%以下であることが分かります。
それだけ意識しても、食事から十分なカルシウムを摂取することは難しいという事が分かっていただけると思います。
では、実際にご自身がどれぐらいカルシウムを摂れているかチェックしてみましょう!
日頃習慣的にとる1日の主なカルシウム量を以下で計算してみましょう。
皆さん1日にどれぐらい摂取できているでしょうか?
(日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用及び一部改変)
※上記食品の選択より、推定のカルシウム摂取量となります。
※カルシウム摂取上限量は2500㎎(日本人摂取基準2020年版より)
結果は、いかがでしたか?
もし、今回のチェックで目標量に達しなかった方は、上記食品よりご自身が摂りやすい食材を意識して取り入れていきましょう。
ちなみに、カルシウムは食材によっても吸収率が変わるのはご存じでしょうか?
【主なカルシウム源とその吸収率】
◆乳製品:約43%
◆小魚類:約32%
◆野菜・大豆製品:約19%
乳製品は、できれば低脂肪乳や無脂肪を選び、1日2杯を目安にとりいれていきましょう。
カルシウム強化の食品なども色々出ておりますので、そちらもあわせてスーパーなどでカルシウム量を確認しましょう^^
【カルシウムのおすすめのとり方】
①カルシウムは1回に吸収できる量が決まっているため、可能なら毎食に小まめに入れるのがおススメ!
②運動後に乳製品を摂取すると、筋力UPの効果も望めるのでおススメ!
③就寝中は成長ホルモンが優位になり骨も積極的に作られる時間帯なので寝る前の摂取がおススメ!
さらに、就寝前の乳製品は乳製品に含まれるトリプトファンという物質が安眠効果ももたらすためダブルでおススメ!
当院では、骨粗しょう症治療に積極的に管理栄養士が関わり患者様への栄養指導を行っています。
骨粗しょう症検査も行っておりますので、気になる方は是非お気軽にお問い合わせください。
引用文献
日本人若年成人女性における牛乳, 小魚 (ワカサギ, イワシ), 野菜 (コマツナ, モロヘイヤ, オカヒジキ) のカルシウム吸収率
上西 一弘ら 日本栄養食糧学会誌1998 年 51 巻 5 号 p. 259-266
日本食品成分表2015年版(七訂)
日本人の食事摂取基準2015
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